AGA(アメリカゲーミング協会)の発表によると、アメリカのコマーシャルカジノの2025年第3四半期における総カジノ収益(GGR)は、前年同期を7.2%上回る189.6億ドル(2兆9,828億円)に達した 。これにより、同業界は19四半期連続のプラス成長を記録し、第3四半期として過去最高を更新している 。年初からの累計(1月から9月までの9カ月間)で見ると、GGRは前年同期比7.8%増の574.3億ドル(9兆349億円)となっている 。

部門別の内訳では、スロットマシンやテーブルゲームを合わせた「伝統的(Traditional)」ゲーム部門の年初来収益が前年同期比2.6%増の381.5億ドル(6兆18億円)となり、収益全体の約66.4%を占めている 。一方、新興部門の成長も顕著で、「スポーツベッティング」は前年同期比13.4%増の113.4億ドル(1兆7,840億円)、「iGaming(オンラインカジノ)」は同29.7%増の78.2億ドル(1兆2,302億円)を記録した 。

ただし、9月単月の動向には変化が見られた。ランドベースカジノ(前年同月比0.1%減)とスポーツベッティング(同21.2%減)がそれぞれ前年同月を下回ったことで、コマーシャルカジノ全体の月間収益は前年同月を2.2%下回る61.2億ドル(9,628億円)となり、成長が一時的に鈍化した 。

第3四半期の収益拡大に伴い、地方・州政府へのゲーミング税の納税推計額も前年同期比7.4%増となり、過去最高の約42.5億ドル(6,686億円)に達した 。なお、この税額には月次・四半期ベースで報告される直接的なゲーミング税のみが含まれており、年次課税の手数料や、連邦政府へのスポーツベッティング消費税、法人税や給与税などは含まれていない 。

アメリカのコマーシャルゲーミング市場は現在38の管轄区域(37州とコロンビア特別区)で構成されている 。第3四半期末時点のデータによると、これら全区域でスポーツベッティングが提供されている。また、27の州で合計492軒(2024年12月末時点)のランドベースカジノが運営されている。これに対して、iGamingのフルサービスが運営されているのは7州(デラウェア、ミシガン、ニュージャージー、ペンシルベニア、ウェストバージニア、コネチカット、ロードアイランド)に留まっている(2025年9月末時点)。

なお、国内にはこれらコマーシャルカジノとは別に、先住民部族が運営するトライバルカジノが500以上存在している。