カジノを含む統合型リゾート(IR)が大阪に開業するまで5 年を切った。また、政府はIR認定数の上限までの残り2 か所のIR 選定に動き出している。IR導入に名乗りを上げる自治体が出てくれば反対派の声も強くなる。今後、これまで以上にギャンブル等依存に注目が集まることは確実だ。
パチンコ業界において、ギャンブル等依存症対策の実行、──具体的には相談者への専門機関紹介や電話相談による情報収集・整理──に大きく貢献してきたのは、認定特定非営利活動法人 ぱちんこ依存問題相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)」だ。
RSNは全日遊連支援のもと2006年に設立された。設立以来、代表理事を務めてきた西村直之氏(精神科医)は昨年12月に退任し、副代表理事であった稲村厚氏(司法書士、NPOワンデーポート理事長)が代表に就任した。西村氏は、かねてより構想していた「パチンコ業界と社会とのエビデンスに基づいた対話」の実現のためのプラットフォームづくりのために、昨年末に設立した一般社団法人健全パチンコ・パチスロ推進フォーラム(2025年11月設立)の代表としての活動を始める。

RSNが依存問題に苦しむ当事者やその家族からの電話相談事業をおもな活動とするのに対して、健全パチンコ・パチスロ推進フォーラムが目指すのは、「遊技産業の存在価値の最大化を図ると同時に、負の影響を最小化する」だ。具体的には、「産学連携事業を通じて、遊技産業の存在意義を科学的研究の推進により主張していくとともに、遊技産業を持続可能な産業と成し得る “新たな戦略的フレームワーク” を提供し、この定着を図る」ことを目指す。
1月28日に業界メディア向けに開催した記者会見で西村代表は、「100年近くになる産業でありながら、社会とのコミュニケーション能力が著しく不足している」と指摘し、感情論や世論に動かされがちな行政に対して、「科学的な根拠(エビデンス)に基づく対話」の土台作りのための産学連携の研究が必要だと述べた。そのために欠かせないことが「若手研究者の育成」であり、そのプラットフォームになるべく、同フォーラムを設立したと説明した。
現状は、会員を募るための設立趣旨の説明会を開始したばかりで、理事会の組織もできていない。
「会員企業が何社になったら始めるとか、寄付がいくら集まったら始めるということではなく、できることから着手する。当面は会員を募りながら研究者も募り、大学など研究機関と連携の交渉を進める。また、既存の研究データなどをもとにしながら私が論文を書いて発信していく」(西村代表)
基本的な入会資格は遊技業界関連企業及び個人で、入会金10万円、年会費30万円。
text by Tsuyoshi Tanaka