警察庁サイバー企画課は7月17日、警察庁の委託を受けて運営されている「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」の運用指針である「ホットライン運用ガイドライン」の改定案に対する意見募集を開始した。
今回の改定案の主な内容は、違法オンラインギャンブル等関連情報を新たに違法情報としてIHCの取扱範囲に追加すること。これは、本年6月18日に成立し、9月25日に施行予定のギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律に対応するもの。同法では、国内の不特定の者に対して違法オンラインギャンブル等ウェブサイトやプログラム(アプリ)を提示する行為、または違法オンラインギャンブル等に誘導する情報を発信する行為が禁止されている。
以下のような行為が禁止される。
- オンラインカジノサイトの開設・運営
- オンラインカジノアプリのアプリストアへの掲載
- SNSなどで、オンラインカジノサイトのリンクを貼り付けて投稿したり、オンラインカジノサイトの宣伝や広告をしたりすること
- (例えば、「○○カジノ 登録はこちら」「××カジノ 日本語対応してます」などとうたう勧誘行為も禁止対象)
- オンラインカジノサイトを紹介するまとめサイトを作ること
- (例えば、「おすすめオンラインカジノ10選」などとうたい、オンラインカジノのサイトのリンクを貼り付けたサイトを作成することも禁止対象)
〔参考〕警察庁広報

オンラインカジノサイトの多くは海外で運営されている。その国では合法的に運営されているとしても、日本国内からこれらのサイトにアクセスしてオンラインカジノで賭博を行うことは、「賭博罪」などの犯罪となる。しかしオンラインカジノへ誘導する情報を発信するアフィリエイターはこれまで「違法ではない」「グレーゾーン」などとして広告を展開してきた。こうしたオンラインカジノに関する情報のまん延への対策として、ギャンブル等依存症対策基本法の一部が改正された。
IHCは、インターネット利用者からの違法情報、重要犯罪密接関連情報、自殺誘引等に関する通報を受理し、警察への通報やサイト管理者への削除依頼などを行う機関。今回の「ホットライン運用ガイドライン」の改定により、社会問題となっている違法オンラインギャンブル関連情報の流通防止に向けた取り組みが強化される見込みだ。
17日に開催された国家公安委員会定例会議の後の記者会見で、坂井学委員長は、「国民の皆様にあっても、この機会にあわせて、オンラインカジノでの賭博は犯罪であること、オンラインカジノサイトのほか、同サイトを案内する紹介サイトやSNSの書き込みも違法となることを御理解いただいた上で、9月25日以降、それらの違法情報を発見した際には、インターネット・ホットラインセンターのサイトにアクセスをしていただいて、通報していただきたい、情報提供をお願いしたい」と述べた。
パブリックコメント(案件番号120250018)の実施期間は、令和7年7月18日から同年7月31日までとなっている。