パチンコホールの店舗数は減少を続けているが、市場規模(売上)は下げ止まり、回復に転じている。この背景には新しい規格であるスマートパチスロがユーザーの支持を得ていることに加え、集客力の高い広告宣伝の活発化もあるようだ。

矢野経済研究所の推計によると、2024年のパチンコホールの広告宣伝市場規模は839億円で、、前年から36億円(前年比4.5%)増加した。

月額広告宣伝費の平均値は、1店舗当たり1,077,000円と推計され、とくに設置台数との相関が強く、「901台~」規模のホールの平均額は3,471,000円と全体平均より2,394,000円も多い。

パチンコホールの広告宣伝について5つのカテゴリ(折込チラシ・DM、ウェブ広告、店内装飾、来店イベント・来店取材、その他)に分類し、それぞれの市場規模について調査したところ、トップは「ウェブ広告」の287億円(34.2%)で、「来店イベント・来店取材」が282億円(33.6%)で僅差で続いた。「来店イベント・来店取材」の内訳は、「来店イベント」が約220億円を占めている。

来店イベント・来店取材とは、パチンコホールがタレントやメディア媒体といった第三者に依頼する広告宣伝の一種。来店イベントでは、パチンコ・パチスロに詳しい「演者」と呼ばれるタレントやインフルエンサーによる来店のほか、芸能人などの来店も含まれる。来店取材とは、パチンコ・パチスロの情報誌やWebメディア、動画チャンネルなどが、特定のパチンコホールを訪れて、
その状況をレポートするもの。いずれも事前に告知することで、パチンコ・パチスロユーザーの来店を促す。

一方で、広告宣伝費用を負担しているのは、本質的にはパチンコ・パチスロユーザーであることから、広告宣伝費の増加を懸念する声もある。