ネバダ州ゲーミング管理委員会(NGCB)の発表によると、2025年(1月〜12月)のネバダ州全体のゲーミング収益(GGR)は約158億ドルに達し、前年比1.3%増となる見込み。これは4年連続での過去最高更新だ。

部門別の収益構成を見ると、スロットマシンが約103億ドル(全体の約65.2%)、テーブルゲームが約50億ドル(約31.6%)を占める。これらランドベースカジノからの収益が全体の約97%を占めている。スポーツブックは約5億ドルで構成比は約3%。

オンラインギャンブリングについて少し説明すると、まず、ネバダ州ではスポーツブックは州全土からオンラインでアクセス可能。だが、基本的にプレイヤーの口座は州内のランドベースカジノと紐づいており、ブックメーカーと収益を分配している。

他のオンラインカジノゲームについては規制により、州全域でプレイ可能な「Interactive Gaming」(スポーツブックを含まない)で許可されているのはポーカーのみ。この他に、州法(NRS 463.0176)に基づき、ライセンスを受けたカジノ施設内(レストランやプールサイド等)に限定して全ゲームのモバイルプレイを許可する「Mobile Gaming System」が運用されている。デジタル技術を、あくまで「施設内での滞在利便性向上」に充てる規制線が維持されているのだ。そして統計上、この「Mobile Gaming System」経由の収益は、ランドベースカジノ内の「スロットマシン」または「テーブルゲーム」の各部門別収益に直接合算されている。

州全体の収益は過去最高を記録したが、ラスベガスの中心地であるストリップ地区には変調が見られる。2025年の同地区のカジノ収益は88億ドル(前年比0.03%増)と、ほぼ横ばいでの着地となった。

2025年のストリップ地区の収益は、一般観光客(マス層)の「数」の増加による消費増に支えられてきたが、高単価マス層とVIP客に支えられる形へと変化が見られる。これは観光関連指標の変化に表れている。2025年の年間訪問者数は約3,850万人と、前年比で7.5%減少。ホテル稼働率も年間平均80.3%(前年比3.3ポイント低下)に沈み、客室単価(ADR)も5%下落。また、LCCを中心とした国内便の座席供給数の削減もあった。

巨大なカジノリゾートが立ち並ぶストリップ地区が足踏みをする一方で、地元住民を主客とする「ローカル市場(クラーク郡内の地方カジノ)」の中は、前年比3〜5%増と堅調な伸びを見せたエリアもあり、複数の月で単月収益の過去最高を更新した。

特に住宅街エリアが牽引したが、この背景には、ネバダ州固有の労働環境と資産保有層に有利な税構造がある。同州の時給成長率は6.37%と全米1位を記録し、現役世代の購買力を支えた。一方で、州所得税や相続税が一切かからない税制を背景に流入したリタイア層が、近年の株高に伴う「資産効果」を背景に平日の稼働を底上げしている。ローカル大手カジノオペレーターのIR資料によれば、カード会員収益の7割以上が高頻度顧客(月4回以上来店)に支えられているが、そこには安定した雇用環境にある勤労層と、豊かな資産を保有するリタイア層の双方が含まれており、多層的な経済基盤が近場の娯楽支出を支える構造となっているようだ。