2026年1月30日は、パチンコ業界にとって忘れがたい一日になるかもしれない。2022年の参院選で惜敗した木村義雄氏が、欠員に伴う繰り上げ当選で議席を獲得したからだ。2019年(尾立氏)、2022年(木村氏)、2025年(阿部氏)と続いた、業界を挙げた参院選への挑戦はついに実り、族議員を国政に送り出した。残り約2年半の任期は、業界の政治への働きかけを強化する貴重な時間となる。

木村氏の当選の背景には、全日本遊技産業政治連盟(全遊政連)の存在がある。全遊政連は、業界の政治力を束ねる組織であり、自民党の「職域支部(自由民主党東京都遊技業職域支部など)」を通じて、直接的に政策要望を政界へ届けるパイプ役を担っている。

職域支部とは、企業や団体が自民党の支持基盤として組織する単位だ。ここを通じて党員を確保し「族議員」を支援することで、業界に不利な法改正を阻止し、あるいは必要な法整備を促すという仕組みだ。

個々のホール企業がどれほど法令を遵守し、健全経営を続けても、自社の努力では決して超えられない壁がある。たとえば、政府系金融機関による融資や、国の補助金・助成金における「一律除外規定」だ。

パチンコ業が「風俗営業(4号)」に分類されていることを理由に、コロナ禍の支援金などで門前払いを食らった記憶は新しい。全遊政連の阿部前会長らが訴えてきたのは、パチンコを「性的風俗を乱すおそれのある業種」とは区別された、「適切に射幸性を管理された遊技業」へと法的に再定義されることの必要性だ。木村議員には、このカテゴリーエラーによる経済的差別の撤廃を強く要望していくことになる。

パチンコホールの現場が直面している大きな悩みである人手不足も、実は政治の不作為が原因の一つだ。現在、コンビニや飲食店で中心的な戦力となって働いている外国人留学生を、パチンコホールは雇うことができない。入管法に基づく『資格外活動許可』の付与条件として、風適法第2条第1項の営業所(1号から5号)での就労が包括的に除外されているからだ。

木村氏は厚生労働政策に精通した「厚労族」でもある。人手不足に喘ぐ現場の声を受け、他サービス業と同様の労働力確保を可能にする法整備は、業界にとって喫緊の課題だ。

2030年に開業を控えるIR(カジノ)は、パチンコにとって最大の外部環境変化だ。カジノは高い射幸性を持つことから非常に厳格な「特別法」で規制される。一方で、パチンコ・パチスロは「射幸性が管理された遊技」である。

パチンコ機の性能は、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」により、「1分間に発射できる玉数の上限は100発」と定められている。また風適法により、「貸玉料金の上限は1玉4.4円以下」だ。つまり、仮に、あえて球を獲得しないように狙ってプレイしたとしても、「1時間に消費できる金額の上限は2万6400円」ということだ。獲得できる玉数にも上限が設けられている。どんな強運の持ち主でも、理論上、1日の最大獲得玉数は約40万円相当(1玉=4.4円の場合)を超えないよう、遊技機の仕様が規制されている。こういったことは、業界人とファンは知っていることだが、世間にはあまり知られていないだろう。

このパチンコの位置付けの違いを明確化して、世論にも理解してもらわなければ、負の影響も同列に語られることになり過度の規制強化を招くことになる。カジノと棲み分け、業の位置づけを安定させる。これも政治の力を借りながら実現したいことだろう。