米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルが発表した2026年第3四半期決算において、日本の遊技・レジャー産業にとって重要な進捗が公表された。同社の決算説明会においてビル・ホーンバックルCEOらは、大阪・夢洲で開発を進める統合型リゾート(IR)について言及し、基礎杭打ち工事が約70%完了、プロジェクト全体の進捗率は約11%に達したことを明らかにした。総工費の予算計画や、2030年秋を予定する開業スケジュールに変更はない。様々な議論が続いてきた大阪IRだが、工程は目標通りの時間軸に沿って着実に前進している。

MGM Osaka Construction

大阪IRプロジェクトにはすでに約1,140億円が投じられており、2027年と2028年にはそれぞれ約1,500億〜1,600億円規模の大型資金拠出が予定されている。国内金融機関による協調融資(シニアローン)枠はすでに組成済みで、今後の資金も手元資金とフリーキャッシュフローから充当される計画だ。地下の基礎工事から地上躯体工事への移行が近づき、開発は実体的な建設局面へと移行しつつある。

国内には、近年のレジャーのオンライン化の潮流から「ランドベースカジノ(店舗型カジノ)は斜陽産業」と捉える向きも少なくない。しかし、MGMが公表した業績数値はその認識を明確に否定している。第3四半期連結売上高は42億ドル(前年同期比0.9%減)となったものの、これはラスベガスのホテル客室単価(ADR)の調整など非ゲーミング部門の落ち着きによるものだ。収益の柱であるランドベースカジノ(ゲーミング)部門単体の収益は23億ドル(約3,630億円)と前年同期比8.5%増と好調だ。マカオ事業(MGMチャイナ)に限ればカジノ収益は同12%増だ。なお、この連結カジノ収益23億ドルには持分法適用関連会社であるBetMGMのiGaming収益(7.1億ドル)は含まれない。

MGM Resorts

米国ゲーミング協会(AGA)の最新統計を見ても、全米のコマーシャルカジノが生み出す年間787億ドル(約12兆4千億円)の総ゲーミング収益(GGR=パチンコ産業の『粗利』に相当)のうち、ランドベースカジノの「伝統的カジノゲーム(スロットマシンおよびテーブルゲーム)」は全体の約65%7割を占め、かつ過去最高収益を更新し続けている。

2030年秋の開業まで残り4年弱。リアルな集客空間を運営するパチンコホール業界にとって、大阪IRはもはや「遠い未来の不確定要素」ではなくなっている。