英国のギャンブル規制当局である英国賭博委員会(UKGC)は2026年10月21日、「allbritishcasino.com」など7つのオンラインカジノサイトを運営するL&L Europe社に対し、出金プロセスの不当な遅延や管理体制の不備があったとして、90万ポンド(約1億9,000万円)の支払いを伴う規制上の和解(合意)に達したと発表した。
当局が重い処分を科す要因となったのは、顧客に対する出金制限の運用実態だ。同社は「1件の出金申請が処理されるまで追加の申請を認めない」とする規約を設けていたほか、出金回数に応じた抜き打ち確認を実施し、払戻しの段階で追加情報の提出を求めて処理を遅らせていた。
「参加や入金は容易に受け入れながら、勝ち金の払い戻しにはハードルを設けて遅延させる」という事業者の都合を優先した仕組みは、営業ライセンスの根幹を揺るがす行為として厳しく指弾された。
さらに、マネーロンダリング対策(AML)と社会的責任(SR)の体制にも不備が認定された。AML面では顧客ごとのリスク特性を考慮せず、一律の金額基準に依存した運用が続いていたほか、資金源の裏付け確認を怠っていた。また、長時間の遊技や入金失敗を検知してギャンブル障害を防ぐアラート機能が、傘下の全サイトで均一に機能していなかった。
UKGCの担当幹部は、マネーロンダリング対策や障害予防にとどまらず、利用者が獲得した勝ち金を遅滞なく円滑に引き出せる環境の整備も、信頼に足る公正で透明な市場形成に不可欠な義務であると強調している。厳しい規制の遵守と重い罰則リスクは、カジノ事業を継続するうえでの前提条件となっている。